肺がんの建設労働者、7割が石綿被害の症状 NPO調査

 大工や配管工など建設労働者の肺がん患者の約7割に、アスベスト石綿)を吸ったとみられる症状が出ていることが23日、NPO法人「職業性疾患・疫学リサーチセンター」(東京都港区)の海老原勇医師の調査で分かった。東京土建一般労働組合など建設業関連の労組が開いた記者会見で、明らかにした。

 調査は、海老原医師が過去5年間にわたって、肺がんになった建設労働者110人をレントゲン検査やコンピューター断層撮影(CT)などで診断。その結果、67.2%にあたる74人について、石綿を吸うと特徴的に出る「胸膜肥厚斑」の症状や石綿肺が確認された。

 ほかに、何らかの労災で死亡した疑いがある建設労働者43人(平均年齢60.7歳)を解剖したところ、36人(83.7%)に胸膜肥厚斑を確認。また、うち31人はレントゲン検査では異状が分からず、解剖で初めて胸膜肥厚斑が見つかった。

 海老原医師は「石綿被害は呼吸器専門の医師でも見過ごしてしまうことがある。とくに肺がんは喫煙が原因と診断され、多くの石綿被害が埋もれていた可能性がある」と指摘している。

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2005年07月25日22時18分 asahi.com