イマドキの観光名所、靖国神社

 小泉首相が参拝するようになってから、靖国神社への参拝者、観光客が増えているという。特に今年は参拝の是非に焦点が当たり、ニュースなどでも連日のように取り上げられることもあって、一気に東京名所として脚光を浴びているようだ。
 通常ここが多くの人でにぎわうのは、お花見と毎年7月中旬に行われる「みたままつり」、そのほか初詣や、横綱も登場する奉納相撲の時など。最近は境内を歩いていると、「報道」のバッジなど付けた内外の取材クルーの姿をよく見かける。(2005.08.03紙面掲載)

 先だっての「みたままつり」を覗いてみたところ、境内の能舞台では奉納歌謡ショーが行われていて、その出演者がバタヤンこと田端義雄、三浦洸一に菅原都々子というラインナップで、「みなさん、まだご活躍でしたか…」と戦中派の健在ぶりに、ただただ驚くばかり。
 参道の中央にある、この神社を創建した大村益次郎の像の周囲には毎年盆踊りの舞台が組まれ、おばちゃんたちの踊りの熱演が繰り広げられるが、今年は、それが最高潮に達している隣りで、なぜか江戸神輿が担がれているという不思議なお祭り風景が展開していた。
 そのほか境内には、零式戦闘機や人間魚雷「回天」なども展示されている戦事博物館「遊就館」や、錦鯉の泳ぐ池もある日本庭園もあり、なかなかの奥行きの深さ。神社周辺には、名門女子高白百合学園や、小泉さんの盟友・山崎拓氏も住んでいる衆議院議員宿舎などもあって、ここはまさに東京山の手お屋敷町なのだった。
 小泉さんが首相になって、初めて靖国参拝したのが4年前の8月13日。次の年はフェイントをかけたのか、春の例大祭である4月21日、その次の年は1月14日、去年は1月1日の参拝だった。
 いずれも参拝の前触れはなく、周辺地域の人々は、上空を行き交う異常なまでの台数の報道各社のヘリコプターの飛行音で、「その日」が今日であることに気づく。それが明日にもやってきそうだという緊張感が、今時ここに人が集まってきている理由の一つなのだろう。

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2005年08月09日23時25分 asahi.com