アスベストの早期使用停止 18業界団体に要請へ

 経済産業省厚生労働省は、アスベスト石綿)による健康被害が次々と明るみに出ていることから、アスベストを使用している電気事業連合会日本鉄鋼連盟など18業界団体を週内にも集め、早期に使用をやめて代替品に切り替えるよう要請する。アスベスト使用は労働安全衛生法の改正で08年までに全面禁止される予定だが、被害が広がっているため、業界に前倒しの対応を求める。

 アスベストの使用は、95年に毒性が強い青石綿と茶石綿が使用禁止になり、04年には白石綿を含めて製品の製造・使用が原則禁止になった。だが、代替品への移行が難しい化学プラントや発電所の配管設備などで例外的に使用が認められている。

 経産省の調査では、建材メーカーなどアスベスト製品メーカー89社のうち27社で、アスベスト被害による死者が計374人出ている。このほか、アスベストを使っている造船、自動車、建設、鉄鋼などの業界でも、アスベストによる被害が広がっている。

 要請先の団体は次の通り。

 電気事業連合会、日本電機工業会、日本化学工業協会、石油化学工業協会、石油連盟日本ガス協会、日本エルピーガス連合会、全国エルピーガス卸売協会、日本簡易ガス協会、日本鉄鋼連盟、日本ボイラ協会、日本産業機械工業会、日本無機薬品協会、日本鉱業協会、板硝子協会、硝子繊維協会、日本産業ガス協会、カーバイド工業会


規制の遅れに批判相次ぐ、アスベスト被害で衆院集中審議
2005年07月20日12時39分 asahi.com