車の解体業者も調査へ 自動車工業会

 アスベスト石綿)による健康被害問題で、日本自動車工業会自工会)は、自動車・二輪車メーカーへの被害調査の対象を解体業者にも拡大する。自動車には数年前まで石綿が部品の一部に使われており、解体時に石綿が飛散する恐れがある。解体業者の健康被害は表面化していないが、不適切な処理をしていた場合は被害が起きている恐れがある。

 石綿は、ブレーキやクラッチ部品のほか、エンジン周辺の断熱材や防音材にも使われていた。破砕処理が必要なものもあるが、専用の裁断機を使えば粉塵(ふんじん)は出ず、健康被害が生じる可能性は少ないとされる。

 ただ、「実際にどう処理しているか把握していない」(自工会関係者)ため、すでに決めていたメーカーの被害状況の調査にあわせ、解体業者も調べることにした。

 業者は国内に約7000社あるが、すべての調査には時間がかかるため、まず月内にも主要業者から調べ始め、処理状況の把握を急ぐ。

 自動車メーカーではこれまで、石綿被害とみられる従業員・元従業員の死亡者は、マツダで2人、スズキと三菱自動車で各1人が判明している。

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アスベスト被害相談、400件超 全建総連「110番」
2005年07月24日20時19分 asahi.com

アスベスト被害相談、400件超 全建総連「110番」

 全国建設労働組合総連合は24日、アスベストによる健康被害などの相談に応じる「建設労働110番」を全国22組合で実施した。計544件の相談が寄せられ、アスベスト関連が9割以上を占めた。

 組合職員や弁護士ら11人が相談に当たった東京都連合会は5台の電話が鳴りやまず、197件の相談すべてがアスベストに関するものだった。建設現場で働いた経験のある60〜70代の人や、「住宅でアスベストが使われているが大丈夫か」と不安を訴える一般市民からの相談が目立ち、東京以外からの電話も多かった。

 屋根工事の職人を約15年間していたという静岡県の男性は、扱っている屋根建材の安全性について厚生省(当時)や今回のアスベスト問題の発端となった機械メーカー・クボタに電話で問い合わせたが、はっきりした返事がもらえなかったといい、電話口で「最近たんが出るようになった」と不安を漏らした。

 三重県の男性は、アスベストの荷役作業を長く行い、昨年肺がんと診断された。50人ぐらいの仲間が同様の仕事に従事していたといい「当時の作業に問題があったのでは」と話した。

 昨年まで「一人親方」として建設業に携わっていた神奈川県の男性は、労災が適用されるかどうかを心配し、石綿業界大手ニチアスの元社員だという茨城県の男性は、当時の同僚が何人も死亡しており、不安になって電話したという。