またロンドンで同時爆発 地下鉄3駅とバス

ロンドン地下鉄オーバル駅に21日駆けつけた警察や救急隊=AP

 21日午後1時(日本時間同9時)ごろ、ロンドンの地下鉄3駅とバスで爆発などが起き、乗客が一斉に避難した。ロンドン警視庁は市内4カ所で爆発、または爆発未遂が起きた、と発表した。けが人は少数という。ロンドンでは今月7日に、地下鉄線3カ所とバスで同時爆破テロが起きており、爆発で複数の地下鉄路線が閉鎖されるなど市内は騒然とした。

 乗客が避難したのはウォレンストリートと、オーバル、シェパーズブッシュの各駅。BBCなどの報道によると、ロンドン東部のハックニー地区を走行中の2階建てバスで爆発が起き窓ガラスが割れた。

 ウォレンストリート駅付近では男性が背負ったリュックサックが爆発し、けが人1人が出たとの情報がある。PA通信によると、同駅から避難した乗客は「車内で何かが焼けたようなにおいがした」と語ったという。

 一連の事件のあと、市内の地下鉄は一部の路線が閉鎖され、運行が止まった。またAP通信によると、化学防護服を着た捜査員が出動した。

 AP通信は、バスの爆発では、運転手が爆発音に気づいて2階に上がると窓ガラスが割れていた、と伝えた。

 ロンドン警察当局者は「爆発は7日のテロよりかなり小規模とみられる」と話した。

 ブレア英首相は午後のスケジュールをキャンセルした。

 7日の同時爆破テロでは、英北部スコットランドで行われた主要国首脳会議(G8サミット)の初日、ロンドンの地下鉄3線とバスでほぼ同時刻に爆破テロが起き、56人が死亡した。捜査当局は事件で死亡したパキスタン系英国人ら4人を実行犯と断定、事件に関連した1人を逮捕し、国際テロ組織アルカイダとの関連が濃厚と見て捜査を進めている。

 21日乗客が避難した地下鉄3駅のうち2駅は、7日のテロとは別の路線。

2005/07/22(金) 00:15:30

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テロ容疑者か、警官が男射殺 ロンドン南部の地下鉄駅
2005年07月22日23時28分

テロ容疑者か、警官が男射殺

 ロンドン南部の地下鉄ストックウェル駅で22日午前10時(日本時間午後6時)すぎ、男性1人を私服警察官が射殺したと、ロンドン警視庁が明らかにした。英メディアは、この男が前日のロンドンでの同時テロ事件の容疑者の1人だと報じている。英BBC放送によると、警察当局が監視カメラの調査結果に基づき尾行していたという。

 目撃者によると、地下鉄車内で警察官が男に向けて至近距離で計5発を発砲した。男は南アジア系とみられ、野球帽と季節はずれの厚手のコートを着ており、武器らしきものは手にしていなかったという。英スカイニュースは、捜査当局が男を自宅から尾行しており、当初は逮捕する予定だった、と報じた。

 同じころ、武装警察官がロンドン東部のモスクを一時包囲し、戸外に出ないよう付近の住民に警告した。住民の話では、モスク周辺に爆弾を仕掛けたとの脅迫電話があったというが、爆発物は確認されなかった。ロンドン西部のハローロードでも、武装警察官が家宅捜索に入った。捜査当局は容疑者を広範囲に捜索している模様だ。

 捜査筋によると、21日のテロ現場で押収された高性能爆弾の成分が、7日に50人あまりの犠牲者を出した同時爆破テロのものと類似していたという。BBCなどによると、今回の事件で見つかった爆発物は四つとも前回と同様、リュックサックに入っていた。

 警視庁は、容疑者らが起爆装置を作動させたものの爆発には至らなかった、との見方を強めている。

 今回、テロ発生当時には生物・化学兵器による攻撃や「クギ爆弾」との情報もあったが、22日夜現在、根拠を示すものはみつかっていない。