アスベスト被害相談、400件超 全建総連「110番」

 全国建設労働組合総連合は24日、アスベストによる健康被害などの相談に応じる「建設労働110番」を全国22組合で実施した。計544件の相談が寄せられ、アスベスト関連が9割以上を占めた。

 組合職員や弁護士ら11人が相談に当たった東京都連合会は5台の電話が鳴りやまず、197件の相談すべてがアスベストに関するものだった。建設現場で働いた経験のある60〜70代の人や、「住宅でアスベストが使われているが大丈夫か」と不安を訴える一般市民からの相談が目立ち、東京以外からの電話も多かった。

 屋根工事の職人を約15年間していたという静岡県の男性は、扱っている屋根建材の安全性について厚生省(当時)や今回のアスベスト問題の発端となった機械メーカー・クボタに電話で問い合わせたが、はっきりした返事がもらえなかったといい、電話口で「最近たんが出るようになった」と不安を漏らした。

 三重県の男性は、アスベストの荷役作業を長く行い、昨年肺がんと診断された。50人ぐらいの仲間が同様の仕事に従事していたといい「当時の作業に問題があったのでは」と話した。

 昨年まで「一人親方」として建設業に携わっていた神奈川県の男性は、労災が適用されるかどうかを心配し、石綿業界大手ニチアスの元社員だという茨城県の男性は、当時の同僚が何人も死亡しており、不安になって電話したという。