JR西、94%の駅で石綿使用

 JR西日本の管内計1216駅のうち、約94%にあたる1147駅のホームや駅舎で、アスベスト石綿)を屋根材や断熱材などとして使用していることが30日、わかった。同社は飛散防止措置をしており問題はないというが、使用状況の詳細な調査を進めている。

 JR西日本によると、1147駅には博多や新神戸など山陽新幹線の全19駅なども含まれている。石綿の使用面積は約171万平方メートル。内訳は、駅舎やホーム上の屋根の波形スレート板が約110万平方メートル▽内装仕上げ材などのボード類が約55万平方メートル▽鉄骨梁(はり)などへの吹き付けが約6万平方メートル、となっている。

 駅舎の多くは旧国鉄時代の60〜70年代に建築されており、石綿を使用した建材が多く使用されたらしい。毒性の強い青石綿は95年に使用が禁止されたが、駅舎の吹き付けの一部には青石綿が残っているという。

 同社によると、石綿が練り込まれた波形スレート板やボード類は固形化されており、破損しない限り飛散する恐れはない。吹き付け石綿も建材で周囲を覆って密閉したり、薬品で固化したりして封じ込め措置をしているため、乗客への影響はないとしている。

 JR新大阪駅大阪市)で毒性の強い青石綿を吹き付けた鉄骨梁が約40年間むき出しになっていたことが明らかになったこともあり、各駅の状況について詳しく調査している。

 JR西日本広報室は「新大阪駅以外の駅はすべて密閉などで封じ込めているが、今後、駅改修に合わせて除去を進める」と話している。

 JR旅客6社では、JR九州が全554駅のうち、234駅の屋根や外壁材で波形スレート板として石綿を使用していることを公表している。北海道は全472駅のうち、9駅で使用の可能性があるという。東日本と東海、四国は調査中だが、むき出し状態の駅はないとしている。


2005/07/31(日) 18:47:35

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