米軍横須賀基地で26人死亡 アスベストで労災認定受け

 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)の艦船修理廠(しょう)などの元従業員98人が、アスベスト石綿)による肺がんやじん肺との労災認定を受け、うち26人が死亡していることが、神奈川労災職業病センターの調査でわかった。

 センターによると、労災と認定されたのは80年代半ば以降で、内訳は肺がん23人、中皮腫(ちゅうひしゅ)2人、じん肺73人。全員が日本人男性で、大部分が60〜70年代に同基地内の艦船修理廠で造船工やボイラーマンとして勤務していた。当時の米軍艦には断熱材、防火材としてアスベストが大量に使用されていたという。

 同基地のじん肺問題では、元従業員45人とその遺族が国を相手に損害賠償訴訟を起こし、ほとんどの原告が勝訴か和解。このほか日米地位協定に基づく民事特別法による損害賠償を10人が国に請求し、うち5人が補償を受けている。

 センターは「国が雇用主の職場でこれだけの被害が出ていることは知られていない。情報を開示し、補償のあり方を示すべきだ」としている。